自閉症だったわたしへ

わたしってそんなに「変でおかしな子」なの? 幼い頃から、周囲の誰ともうまくつきあうことができず、いじめられ、傷つき苦しみ続けた少女――。家族にも、友達にも、学校にも背を向け、たった一人で自分の居場所を求めて旅立った彼女が、ついに心を通い合わせることができる人にめぐりあい、自らの「生きる力」を取り戻すまでを率直に綴った、鮮烈にきらめく、魂の軌跡の記録。

かなり時間がかかっちゃいましたが、ようやく 「自閉症だったわたしへ (新潮文庫) 」 から「自閉症だったわたしへ〈2〉 (新潮文庫) 」「自閉症だったわたしへ〈3〉 (新潮文庫) 」へと読み終わりました。

『高機能自閉症』 と診断されたドナの成長記録・・・・・・

ドナさんという方がどなたかは存じ上げませんでしたが、人柄や人格をさしおいて 「自閉症と診断された方からみる内と外の世界」 にはとても興味がわき、ドナさんを通じてみる世界は、それは時に自分たちが正常だと思う世界とリンクし、時に幻想的で悲観的で独創的で・・・・・・・これは読む価値がある本だと思います。

ただ気をつけて欲しいことは、ドナ自身も日本の協会にあてた手紙の中で語ってますが、『一人一人として同じ世界はない（ドナは一例にすぎない）』 ということ。そして、そんなドナ自身が語ってる 『治療法』　もすべてに通じるわけではなく、そこを勘違いして相手に押し付けない、、、、、ということが大切だと思います（それもドナの手紙に書いてありますが）

どう社会に関して適応しているのか？

どう生み出した二人の別人格と接しているのか？

どう社会や環境に対して、感じ、考えているのか？

そのあたりがリアルに文字として読める、貴重な「可能性」に満ちている本だと感じ、いつのまにかこの世界に没頭しておりました・・・・・・

一冊を読み終え、いろんなことを文字から想像しながら、ドナの世界観を感じながら・・・・・・・一冊を読み終えるのがいろんな意味できつかった。でも、ここまで読んだら次も読んでみようと文字から追う世界観を少しずつ心にしみわたらせる感じで・・・・・・・・パワーが要りますよ、きっと。でもそれだけ、自分の心にも感性にもこれからの生き方や考え方に刺激と影響をあたえてくれた本だと感謝しております。そして自分の心をそのまま文字にできたドナの勇気にも感謝。

ご家族や周りの友人・知人に自閉症の方がいらっしゃる方なら、接するさいに何かしらのヒントになると思います。

ただし、何度もいいますが強制や枠組みは必要ありません。

ゆっくりと、じっくりと読んでいただければ幸いです。

評価:4.5（5点満点）

自閉症だったわたしへ (新潮文庫)

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