- 2012-07-02 (月) 1:39
- 読書レビュー
日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化!岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった…。
タイトルの「ぼっけぇ、きょうてぇ」は岡山の方言でして、「とっても怖い」という意味です。
いやタイトル通り怖い。ってかまず、表紙が怖い(笑)
自分は表紙絵の女性の美しさと笑顔。しかし、そのうっすら笑う女性の姿を見ていればその後ろに隠されたこの女性の過去が不気味に伝わってくる感覚・・・・・生臭さ。いや~惹かれました。表紙が違ったらおそらく購入してないと思います、本当に。
この表紙絵の女性が静かに「旦那」と呼ばれる人にたいして語り出す訳ですよ、、、、、、
その語り口調がこれもまた岡山弁でして、静かぁ~に。そして繊細でやさしく。どこかなめまかしく・・・・まるで読んでる人の心に直接語りかけるように、そっと触れつつ、いつの間にか聞きいってしまってて、そして・・・・・・・・・・物語が進むに連れて、そこからまるで身動きできないように、心が恐怖で固まってしまう感覚が味わえますよぉ~・・・・・・・・これが本当に良い、ホラー・怪談系のよい本特有の感覚ですね。「わっ!!」と驚かせられるより、ジワジワとくる恐怖を味わえます・・・・・・・この遊女の、相手に対する心の出入りがまた上手い。
なんだか夏の暑い夜に、田舎のおじちゃんに蚊帳の中で聞かせて貰ったあの時の感覚、、、、、と言えばわかり易いかな~
最初は岡山の方言に慣れるのが大変かも知れませんけど、心配要りません。「うわぁ~これは・・・・・」と心が拒否する反面、目は食い入るように文章に釘付け、手は勝手に次のページ、次のページへと・・・・・・・・・きゃぁあああああ~!!!(笑)
夏にお薦めの怪談シリーズ第二弾、心にどっかりと乗ってこられる感覚をぜひあなたに。
携帯の方はこちら⇒ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)
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コメント:4
- シルク 12-07-02 (月) 17:41
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こんにちは。 本屋にメモ持って買いに行ったら紹介されてた本が1冊もなかったです><
で、子供が借りてきたマンガ「宇宙兄弟」読んでいるのですが、とても面白いです!なんか本の雰囲気が村雲さんに似ているんです~(笑)
って、ホラーと関係ないコメントですみませんっ - 管理人 12-07-03 (火) 17:15
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すみません、基本的に昔読んだ本を忘れない様に書いているんで、相当古いと思われます・・・・本屋に行くのなら、古本屋に行かれた方が良いかも(汗)それから、本、届きましたっ!自分も関係ないコメントで申し訳ないのですが、この場をお借りしてお礼&読んで面白かったら記事にさせて頂きますっ!ありがとうございます。
- ぱんだ 12-07-04 (水) 9:47
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な、なんだろ。表紙みた途端読みたい!と思ってしまいましたよ。ブックオフへGO!
- 管理人 12-07-04 (水) 15:11
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ぱんださん
でしょ~~~!!この表紙の絵、本当にすごいですよね!これほど本の内容にマッチした絵をみたことがない・・・・・中身も面白いですよ、ぜひお薦めですっ!!
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