『リヨン』・・・・・茶色一色の街。そこは 「世界遺産」 にも指定され、フランス内の観光案内で見た 「フルヴィエールの丘」からの風景に一目ぼれした、最高の街でした。(色んな意味で一目ぼれ。詳細は最後まで読めば分かると思います(苦笑))
本来なら「TGV」と呼ばれる(日本では『新幹線』かな??) 列車だとパリから2~3時間だったと思うんですが、ユーロパスを使ってた自分は各駅停車でガタガタと常に移動・・・・・・・・・追加料金を払えば乗れたそうですがなんせ、ギチギチの貧乏旅行、ヘソクリで5万円を余裕みて持っていってたのですが出来れば使いたくないお金です。
パリを離れると一気に 「下町感覚」 です。人情味が厚く、それが移動の際に肌で感じれます。
「第一の人」・・・・初老の紳士。ディジョンでの乗り換えの際、わざわざ自分のカバンから紙を出して地図を描いてくれた!!「第二の人」・・・・その初老の紳士が地図を書いてくれたはいいが、地図が読めず(笑)持ってウロウロしていたら乗り換え口まで付いてきてくれた!!「第三の人」・・・・リヨン駅からメトロで移動するとき、どの地下鉄に乗っていいのか分からず尋ねると・・・・なんと!この方は5ヶ月間、日本で仕事をしていたそうでたまたま目的地も一緒。日本語は喋れませんでしたが、英語で日本人のいい所を熱く語ってくれました(解読は出来ませんでしたけどね。)とても親切に付いて来てくれた!!!!
常に自分は日本円の五円玉をポケットの中に。
初めてあった△△さんが、
「ヨーロッパでは穴の開いた通貨はめずらしいからあげたらとっても喜ぶんだよね~」
と教えてくれた豆知識を実行するべく、それぞれの方に「お礼です。」と一枚ずつ渡すととても喜んでくれていました。
どうにかこうにか、リヨンの『ペラーシュ駅』に到着。
最初の印象は・・・・・「治安が悪い!」
パリの治安が良すぎたのでしょうか・・・・・・・・少し離れた街に行けば、もうホームレスだらけ。油断ができません。しかしこれも豆知識。「駅の周りは治安が悪い」=「ホテル代が安い!」(いや~安すぎでしたよ・・・・リヨンのホテルは~当時で一泊、素泊まりで1,500~2,500円でした!)ブラブラ歩きまわり、何気に入った2件目のホテル。
なんと・・・・・
そのホテルの娘だろうか!受付に座った顔を上げると・・・・・・めちゃめちゃ、かわいい!
(ついに・・神様・・・いや、「天使」が降臨した・・・・)
ホテルに入った瞬間、その娘が顔を上げた瞬間、確実に恋に落ちました・・・・たとえるなら上空何千キロ高く飛ぶ飛行機から1t の鉄球を落としたような、スピードとパワーですよホントに・・・・・・・・で!ここからがその子との「ロマンス日記」!!・・・・のはずはもちろん、ありません。
春休みだったのでしょうか・・・・全く、たどたどしい英語(ヨーロッパの人たちは3~4ヶ国語は軽く喋れますが、母国語以外は割と片言で自分でもヒヤリングできるくらいでした)とはにかんだ顔。慣れない仕草で客の対応、その一生懸命さ・・・・もうこの時点でかなり管理人のツボです・・・・・・・
顔はそりやぁもう・・・・金縛りに合いそうなほど、いえ、確実にあいました。100人の幽霊さんに一斉に体を押さえこまれたような・・・・・・・・本当に人形みたいな綺麗な顔・・・・・はじめて知りましたよ、、、、1mmも文句のつけようのない顔って人間、「恐怖」 を感じてしまうものなんですよね・・・・・・・。
「・・どれくらい・・・滞在しますか??」(多分)
目が離せない・・・あまりの美しさに。
「・・・・??(あなた、大丈夫??)」(多分)
「あっ・・・え~っと・・・・ファイブデイズ!・・・」
バカ丸出しです。そうなんです、男はみんなアホなんです。
タダでさえ飽きっぽい自分が、通過点と考えていた街で・・・・思わず口にした言葉・・・・「5日間」。ぶっちゃけ、ホームシックも一瞬にしてぶっ飛びましたよっ!!(笑) まぁこれが19歳のふつーの男の子でしょう・・・・・・お陰で5日間もやる事がなく毎日散歩三昧。広いとは言えない街をさまよい歩き、ここだけは最後には地図なしで歩くことが出来た唯一の町です!(笑)
しかし、世界遺産だけあってすばらしい街でした。
特に 「フルヴィエールの丘」 からの風景は最高。一目で誰もが心を奪われる風景です。毎日の様に朝食を食べたらその丘から見える茶色の町並みを眺めるのが好きでした。・・・・いや、ホントいうと街より何十倍も受付の子が好きでした(笑)
「リヨン美術館」に「ベルクール広場」・・・
通うのは毎日の日課でしたね~・・・
何度かホームレスに追っかけられた(なんの理由もなく)3日目はそのホテルの受付の天使の友達なのか、2人の同級生がホテルに遊びに来ていました。色々な場所や名所を聞きに、(もちろん話は上の空でその子の一生懸命に説明してくれる姿をただただ見たいがために・・・・(爆))たいした用事もなく受付に行ってた自分はすぐにその友達の女の子2人とも仲良くなり、その日はその友達2人に色々な場所を案内しても貰いました。
ある日、1人で特にすることもなく街をブラブラといつもの散策。いつもの 『フルヴィエールの丘』 でいつものベンチに座り、街を眺めようと思っていた時。そこには全身黒づくめで大きな楽器を横においた男が・・・・・・・以前から気になっていた、朝食時にも大きな楽器のケースを横に置いてご飯を食べるおしゃれな若者。
全身、黒づくめ。体はほっそりと細いけど服の上からでもわかる筋肉質の体。歳は20代だと思いましたが・・・とても物静かで近寄りがたい雰囲気がある人。
・・・・そう同じホテルの住人でした。
目と目が合うとしばらくいぶかしげに見ていた冷たい目がゆっくりと緩み、(隣に座れ・・・) と軽く手招きをする。自分も嬉しさ半分、ドキドキ感半分、(な・・・何を喋ればいいんだ・・・一体・・・・・) と頭の中で色んな英語の文法を組み立てては街を眺めるフリをして全身全霊で隣に座っている黒づくめの男をチラチラとチラ見していましたね(笑)
彼はほとんどこちらを向かず、ずーっとリヨンの街並みを眺めていました。
自分もはじめは混乱していましたがその内、
(あぁ、無理に喋らなくてもいいんだ)
と隣に座ったまま、黙って街並みを眺めるだけ。
いつしか緊張もなくなり、たった一人で座っているような気持ちでそこでその日の日記まで書きました。・・・・・なんだか・・・・よく分かりませんけど、とっても幸せな気持ちでした。気づけば軽く30分以上は過ぎていたと思います。
その男は唐突に立ち上がり、軽く片手を挙げ立ち去って行きました。
結局、一言も離さないまま。
その人と会ったのはこれが最後。
そこから小一時間ばかり自分は一人でベンチに座り、色んなことを考えてました。「何も無理する必要なんてこの世にもしかしたら存在しないかも知れない。ただ一言も喋らなくても、知らない人と座ってるだけで人間って幸せになれるんだなぁ・・・・」 心からそう感じました。ここまでの旅を通して、どうやら自分は少し構えすぎていたのかも知れません・・・・・なんとなく 「旅を楽しむこと」 の新しい一面が垣間見えた時でもあります。
なんだか夢心地でホテルに戻った時・・・・・・・・
一瞬にして現実に戻される「事件」が起きていました。
帰って早々、心配顔で走りよってくるホテルのオーナーと娘の天使。天使が走ってかけよってくる喜びもその緊迫したムードで一瞬にして終わります。二人とも新聞を手に口々に、「お前、日本人だよな??」 と質問してくる。さらに周りに野次馬のように自分を取り囲う、一度か二度は見たことのあるホテルの住民達。
当時の自分は何の事か訳が分からず、「その事実」 を知った時・・・・天国から地獄に落とされた気分だったのを今でも覚えています・・・・・・
- Newer: ヨーロッパ放浪記8 フランス・リヨン編
- Older: 繊細で生きにくいあなたへ
コメント:7
- マスカット 09-05-27 (水) 17:03
-
な、な、何ですか~~~???
続きが気になり過ぎまする~@@
秋に海外デビューを控え、必要以上にドキドキして読んでます^^; - 奏 09-05-27 (水) 21:21
-
いったい何があったのか!?
気になりますーあと、天使とロマンスはじまらなかったのですね。
もしかして☆と期待してたのでちょっと残念でした~ - 管理人 09-05-27 (水) 23:03
-
マスカットさん
まぁまぁ、次回を楽しみにしててください・・・・・・
・・・・・・次回があれば・・・・・・・(笑)奏さん
あの時あの場所でロマンスがはじまっていれば・・・・・
今頃自分はここにはいません。フランス人になってます(笑) - 吉祥 09-05-28 (木) 3:24
-
美しい町並みですね。
右少し上の高い建物が気になります。
夕暮れ時にはさぞ美しいだろうなぁ…と うっとり。そして皆さん親切なんですね。
10代の多感な時期にすばらしい経験をされてうらやましいです。
次回も期待しております。
- 涼 09-05-28 (木) 12:20
-
こんにちは。
なんとな~く⑦を読んぢゃいました~。なんと中毒性のある海外ドラマのような次号の気になり方なんだ~!(笑)
毎回、観る度に
「ちょっとぉ~!(待ってぇ~~・つ・続きをヲ~)」
と、思わせる魔力?引力?
どっちもありますね!(笑)あ~。。完結までレンタルビデオも週間ジャンプも出てない旅行記。
目がはなせませんねぇ(笑)
- Jaby 09-05-29 (金) 1:08
-
『ファイブデイズ!』
大笑いです!夜中に一人で大爆笑しました(> - 管理人 09-05-29 (金) 17:16
-
吉祥さん
10代では10代でできる事があるように、その歳にはその歳
でしかできないことが盛りたくさん。おもいっきり今の歳を楽しんでやりましょうよ!!涼さん
ありがとうございます~はじめたものの、いつどこで終わって
良いのか思案に悩む年頃です(笑)Jabyさん
本心は「一生あなたの傍にいたい・・・・」残念ながら英文が
思い浮かびませんでした(爆)
トラックバック:0
- この記事のトラックバックURL
- http://www.murakumo-shiki.com/2009/05/27/post_107.html/trackback
- Listed below are links to weblogs that reference
- ヨーロッパ放浪記7 フランス・リヨン市街地編 from 村雲式