ヨーロッパ放浪記３　フランス・空港 編

『アイ・ウォント・トゥ・ゴートゥ・パリ・・・』

この言葉、もう何度口にしたか分かりません・・・・・空港近くは暗闇に包まれ、また明かりがある所がかえって怖くて動けませんでした。

（そうだ・・・バスに乗らないと・・・パリに行こう・・・・・）

あまりの緊張に「後ろから襲われないか」と何度も振り返りつつ、重い荷物を担ぎ（手提げバックに何を持っていけばいいのかも分からず詰め込んだ荷物はなんと、「２０ｋｇ」の重さでした・・・）バス停までトコトコと歩きだし、しばらくすると背後からいきなり話かけられた管理人。

「すみませ～ん・・・・君さ・・・日本人？！」

なんと！！その言葉は２０時間ぶりに聴いた日本語！

振り返る自分はすでに涙目！

「・・・は、はい、、、そうですが・・・・」

「あ～良かった。僕は慶応大学の△△。今からパリに行くんだけどさぁ～こっちには（フランス）はよく来るんだけどさぁ～・・・・丁度、今日一緒に泊まる人を探しててさぁ～ほら、二人で・・・・・泊まったらツインで部屋が安いじゃん？？・・・・・もし良かったら一緒に泊まんない？・・・だって・・・・さぁ～・・・・・・・・・・・そうなんだけど・・・・だいたいフランスって・・・・と思うんだけど・・・」

もうですね、今日２人目の神様が降臨した瞬間でした。（感動のあまり、感極まった自分。ほとんど話しも聞いてません。ちなみに１人目は空港内を連れ回し、最後に 「グットラック！」 と言ってくれて別れたお巡りさんです）

あんなにビシビシ警戒してた時とうって変わって警戒心ゼロ（笑）

「現地の日本人の詐欺師も多いから気をつけろ！」との旅行会社の方の言葉もあっと言う間にぶっとんでました。

そこからバスで約一時間（だったかな？？）いとも簡単にパリのホテルで交渉してくれて「ボク先にシャワー浴びるから君はもう寝てていいよ～」と言ってくれたのを無視して思いっきり質問攻め。

※△△さんが寝息を立てる寸前まで・・・・

たった７時間くらいのお付き合いでしたが△△さんはフランスの旅に詳しく、一つ一つバカで初歩的な質問にも丁寧に答えてくれ、今でも写真を見るたび懐かしく思えます。自分の中の英雄です！！

・・・・次の日、初めての外国の朝。

なんでも△△さん曰く、

フランス人は朝の時間をゆっくりと大切にするとの事で 『郷に入れば郷に従え』、ホテルの朝食はキャンセルして二人でカフェで朝食を取りお別れをする事に・・・・

あの朝の 「トースト・バター・カフェオレ」のなんとおいしかった事か！！

※もちろん、△△さんと同じものです。注文なんて出来ません・・・

たった一晩で根拠のない自信を得た自分に今度は好奇心の波が！

※「自信」を持ったら突っ走るタイプの人間です

元気に△△さんと別れ、セーヌ川沿いをとにかく歩きに歩き、何とかルーブル美術館に到着！

※荷物を何度、川に投げ捨てようと思った事か・・・

方向音痴の自分は広い館内でどうしても見たかった、

「ミロのビーナス」
「モナリザ」
「ハムラビ法典」

この３つを捜すのに一苦労。

いや～ヨーロッパってすごいですよね～

あの有名な 『モナリザ』 の前で幼稚園児達が椅子を持ち出しスケッチ大会をやっておりました。日本とは大違いです。この違いが芸術家を多く生むんですかね～館内でさんざん迷子になり疲れ果てた後は初の 『ホテル捜し』。

「安いホテルの見つけ方」

「いいホテルの見分け方」、

「値切る方法」・・・・までメモいっぱいに書き込んだ△△さんのアドバイス通り、４軒目のホテルでようやく荷物を降ろす。

いや～嬉しかったですね～「はじめてのお使い」並な感動をこの歳で味わうとは夢にも思いませんでした。部屋に入り、鍵をかけ、豆だらけになった足から靴を脱ぐ。（「旅行のために」と新品の革靴を履いてきたくらいバカでした）

（・・・これでとにかく・・・生きていける！）

と確信した瞬間でもありました。

ねずみの様にホテルをチョコチョコ出ては近くの店でパンを買い、飲み物を買い、お菓子を買い・・・急いで巣（ホテル）に戻る。正直、エッフェル塔もたいしたことなかったし、（フランスの方、すみません）セーヌ川も汚れていましたがとにかく夜景は色んな感情と夜の光と混ざり合い綺麗だったな～・・・

シャワーを浴び、夜景を眺めながら・・・・

ルーブル美術館で買った絵葉書に早速、無事に着いたことを知らせる内容を家族や友達に書き、日記をつける・・・・・その日一日を思い浮かべながらぐっすりと眠りにつき、素敵な一日は幕を閉じました・・・・・・

・・・・・翌日の悪夢を知るよしもなく・・・・（爆）

・・・・・そして続く。

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